moon~満ちる日舞う少女~【中】






世「美月っ奈津っ!!」



美「世羅っ」



世「…総がっ!!!」



…っ、まずい!!!



外へ出てみると、膝をついて放心状態の総がいた。



美「総…」



総「み、つき…っ」



総は私を見るとスゥっと頬に涙を流す。…酷く胸が痛くなった。


総「……俺がっ…俺が…」



美「…もしかして、誰かにあったのか?!来龍の誰かにっ!」



世「…俺の責任だ。…朱雀が総にっ」



世羅も奈津と同様にもしかしてと、さっきのは違う人物だと、そう思っていたんだろう。そしてここにいる総の姿を見て確信した。

…だけど朱雀たちは違う。…朱雀は最後まで、辰を総だと思っていてたんだろうな。

だから、総の姿を見て……なにかひどいことでも言ったんだと思う。




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