moon~満ちる日舞う少女~【中】
ーガラガラー
えーっと、誰の持ち主かわからない以上、フロントに持っていくのが確実だよね。
美「確か、フロントはあの角を曲がって…」
「っキャッ」
私は女の人とぶつかりそうになった。…いや、私は気配に気づいて避けたけどそれが逆に女の人を驚かせてしまったようだ。
美「すみません」
「こ、こちらこそっ」
女の人は私にペコッと頭を上げると下を向きながら歩き始めた。最初は、自信がないくて下を見てるのかと思ったがある一つの考えに結びついた。
美「あの!」
「は、はいっ」
ふんわりとしてある二つ結びの髪の毛が揺れ、瞳が私にむいた。
美「これ…」