moon~満ちる日舞う少女~【中】
美「……あとは上にのせる卵だけなんだけど香月やってみるー?」
香「え?!いいの?!やるやる!!」
香月が可愛らしいエプロンをつけて、私の横にたった。まるで"待て"をされた犬のようだ…。
美「まずお手本ね〜」
私はフライパンを捻り、返しを使いながらひっくり返す。
香「おおお!!!すっげぇ!!…よし!俺もっ…んと…こうやって……あ、あれ?!…」
うまくひっくり返らず、グチャッのなった。
美「あははっ、香月下手くそー!」
香「うぅ…」
私は香月がひっくり返した卵を私の皿に乗っけた。
香「え?!いいよ姉ちゃんっ俺が食べる!」
美「いーの。私が食べたいだけだからっ」
そう言うと香月は少し戸惑ってから「仕方ねぇな」っていいながら笑った。