moon~満ちる日舞う少女~【中】
修「あっ、返信だ。……満点で1位だって」
美「へぇ、すごいね」
亮「いや美月さんもですよ」
勝「亮?!」
亮「…2年生の方も見たくて来ました。…けどまさか陸が負けるなんて。…」
亮はほんと陸派だよなぁ。まあ"派"なんてないけどさ。
亮「頭良いんですね」
美「んー、昔はよく勉強させられてたからなぁ、長女だからって…」
香「…?!」
香月は覚えてないか…まあ小さかったし。
でも、なんであんなに勉強させれたんだろう?今になって不思議に思うよ…
亮「そうですか…」
美「でも亮も頭いいんだね」
見たままだけどさ。
亮「…俺はこれしかなかったから…」
美「これしかなかった?」
亮「はっ…!…いえ、なんでもないです」
今一瞬、亮の冷たい眼が悲しげに見えた。…多分なんか闇があるんだろうな…
軽くしてあげたい。…けど関わりたくない。そう思うのは亮が少し私に似てるからで、私と同じようになってほしくないからかもしれない。
いや、多分似てる亮を軽くしてあげることで自分の闇を軽くしたいだけなのかもしれない。
亮「美月さん?」
美「まっ、勉強してて損することなんてないからね」
私は笑ってそう言った。…そしたら亮も少しクスッと笑って「そうですね」と返してくれた。