moon~満ちる日舞う少女~【中】
だからもう世羅と一緒に戦うことはないのかもしれない。……わかってる。わかってる。
美「…っ」
『美月、後ろは任せろっ!』
『美月の喧嘩はなんか綺麗だなあ』
『…勝ったな!』
あぁ。…世羅が辞めた時にふっきったはずなのに、翔太がやめたときに覚悟したはずなのに。
…私はもう、世羅と同じ世界にはいない。
美「…せ…」
奈「…世羅、また来いよ。」
奈津?
奈「部活してっから喧嘩はできねぇかもしんねぇけど、遊びに来いよ。…昔みたいにさ、翔太は居ねぇけど、会いに来いよ」
世「ははっ。奈津にそう言われるなんて思ってもみなかったなぁ。…あぁ。…当然また来るに決まってんだろ!夜舞辞めたってな、お前らと仲間だってことには変わりねぇんだよ!」
そういいながら世羅は昔みたいににかっと笑った
美「…うん」
……奈津はわかってたんだ。私の気持ち。…もう世羅は私たちとはいれないと、私が勝手に思い込んでいた。仲間じゃないのかもと思っていた。
…私ね…。……世羅、私ね、昔世羅のこと好きだったんだ。
だからね、苦しかったの。もうなんの接点もない君と。…
でも今は、会える。…世羅は私たちを仲間と言った。私もそう思ってる。…仲間。…
美「私たちは離れていても仲間だ!」
昔も1度いったセリフ。どうして忘れちゃったのかな?…
どうして今思い出したのかな?…