もう泣いてもいいよね
「皆美、どうだった?」
香澄はけろっとした表情で言った。
「すごいよ、香澄!感動しちゃった…」
「そう?良かった」
「今、仕事は何してるの?」
「今はバンドだけ」
あっさりと言う香澄。
「そうなの?すごいねー。生活費とかは?」
「大学の時に興した会社を売ったから、結構お金はあるんだ」
「は?会社?売った?」
「うん。ウェブコンテンツの制作会社作ったら、特許もいくつか取れて、結構儲かったんだ」
「はあ…」
「そうしたら、売れた」
「はあ…ちなみにいくらで?」
「えっとね、今の生活なら10年は食べられるかな」
「はあ?」
昔から香澄は頭がいいと思っていたけど、商才もあるとは思わなかった。
「皆美、次のバンドの演奏が始まるよ。聴いてみたら?」
タケルが言った。
「うん。せっかくだもんね」
「おれはちょっと香澄に話があるから」
「そうなの?わかった」
私は次に演奏するバンドのところに行った。
既に人だかりになっていたので、通行の邪魔にならないように横の方で聴いた。
春の気持ちいい夜風の中で聴く音楽もいいものだ。
タケルのおかげだ。
そう思って、ふと、タケルたちの方を見た。
タケルと香澄が向かい合って話し込んでいた。
あれ?
その姿に違和感を感じた。
香澄が少し下を向いて話をしている。
どうしてタケルから目をそらしているのだろう?
パチパチ…
ちょうど演奏が終わりみんなが拍手していた。
私も顔をタケルたちに向けたまま拍手した。
4曲の演奏が終わり、タケルたちの所に戻った。
「今のバンドも良かったね」
「そっか」
タケルがこっちを向いて笑顔で言った。
「話は終わったの?」
私は香澄に聞いた。
「うん」
香澄はまっすぐ私を見て言った。
「…で、何の話?」
ちょっと躊躇しながら聞いてみた。
「おまえのこれからの話」
タケルが仕方ないなという感じで言った。
「タケルね、何かできることがあったら皆美のこと頼むって」
「えー、そんなこと話してたの?」
私はタケルをどついた。
「痛ってー、何すんだよ」
「私もいい大人なんだから、自分のことは自分でできますぅ~」
私は口をとがらせた。
香澄はけろっとした表情で言った。
「すごいよ、香澄!感動しちゃった…」
「そう?良かった」
「今、仕事は何してるの?」
「今はバンドだけ」
あっさりと言う香澄。
「そうなの?すごいねー。生活費とかは?」
「大学の時に興した会社を売ったから、結構お金はあるんだ」
「は?会社?売った?」
「うん。ウェブコンテンツの制作会社作ったら、特許もいくつか取れて、結構儲かったんだ」
「はあ…」
「そうしたら、売れた」
「はあ…ちなみにいくらで?」
「えっとね、今の生活なら10年は食べられるかな」
「はあ?」
昔から香澄は頭がいいと思っていたけど、商才もあるとは思わなかった。
「皆美、次のバンドの演奏が始まるよ。聴いてみたら?」
タケルが言った。
「うん。せっかくだもんね」
「おれはちょっと香澄に話があるから」
「そうなの?わかった」
私は次に演奏するバンドのところに行った。
既に人だかりになっていたので、通行の邪魔にならないように横の方で聴いた。
春の気持ちいい夜風の中で聴く音楽もいいものだ。
タケルのおかげだ。
そう思って、ふと、タケルたちの方を見た。
タケルと香澄が向かい合って話し込んでいた。
あれ?
その姿に違和感を感じた。
香澄が少し下を向いて話をしている。
どうしてタケルから目をそらしているのだろう?
パチパチ…
ちょうど演奏が終わりみんなが拍手していた。
私も顔をタケルたちに向けたまま拍手した。
4曲の演奏が終わり、タケルたちの所に戻った。
「今のバンドも良かったね」
「そっか」
タケルがこっちを向いて笑顔で言った。
「話は終わったの?」
私は香澄に聞いた。
「うん」
香澄はまっすぐ私を見て言った。
「…で、何の話?」
ちょっと躊躇しながら聞いてみた。
「おまえのこれからの話」
タケルが仕方ないなという感じで言った。
「タケルね、何かできることがあったら皆美のこと頼むって」
「えー、そんなこと話してたの?」
私はタケルをどついた。
「痛ってー、何すんだよ」
「私もいい大人なんだから、自分のことは自分でできますぅ~」
私は口をとがらせた。