もう泣いてもいいよね
私は、今、目の前で起きていることを理解しようとした。


タケルと再会して、いろいろとおかしなことがあった。

それらが何故なのか、今、やっとわかった気がする。



「もしかして、香澄にはタケルは小5のままに見えるの?」

「…よくわかったね」

「やっぱり…香澄はいつもちゃんと真っ直ぐ相手を見てたんだ」

「皆美は、タケルが大人になったと思い込んでるからそれなりの姿に見えてるんだよ」

「でも、なんで私がタケルを見ることができるの?」



香澄に霊が見えるのは、前からそんなことを言っていたから、何となくわかる。

でも、なぜ私は急に見えるようになったんだろう。


「皆美、おまえ、おれと会う前に変な夢を見たろ?」

「あ…」

確かに、あの夢を見て以来、変なことがたくさんあった。

「あれがその力の前触れだ」


「タケルは『あの日』からずっと、皆美のそばにいたのよ。あなたが見えなかっただけ」

「じゃあ、香澄は、その後も私と一緒だった香澄は、ずっと知っていたの?タケルがそばにいることを…」


「うん…」
 
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