もう泣いてもいいよね
第7章 物語の完成
不思議だった。
どう見ても、目の前にいるタケルは生きている様に見える。
触れば、ちゃんと温もりも感じる。
目に見えるから、感じてしまうと香澄が言ったが、確かにポルターガイスト現象とか物が霊によって動かされる現象もあるし、おかしくないかもしれない。
この事実を知って、私は書く物語が決まった。
「題名は『子守花物語』にするよ」
「どんな話だよ?」
縁側で背中を向けていたタケルが顔だけ向けて聞いてきた。
「私たちの物語だよ」
「…なるほど。確かにファンタジーだ」
目の前に座って両手で頬杖をついている香澄が言った。
「でしょ?それに…」
「それに?」
「あなたたちのことを書き残したいんだ」
「いいんじゃないか。おれはもうこの世から消えるし」
「タケル!」
私は怒って言った。
安心させようと言った軽口だとわかっていたけど。
「ごめん」
タケルはしゅんとして、また背中を向けた。
少し幼いと思っていたのは当たり前のことだった。
私はそんなタケルの背中をぼーっと見つめていた。
どう見ても、目の前にいるタケルは生きている様に見える。
触れば、ちゃんと温もりも感じる。
目に見えるから、感じてしまうと香澄が言ったが、確かにポルターガイスト現象とか物が霊によって動かされる現象もあるし、おかしくないかもしれない。
この事実を知って、私は書く物語が決まった。
「題名は『子守花物語』にするよ」
「どんな話だよ?」
縁側で背中を向けていたタケルが顔だけ向けて聞いてきた。
「私たちの物語だよ」
「…なるほど。確かにファンタジーだ」
目の前に座って両手で頬杖をついている香澄が言った。
「でしょ?それに…」
「それに?」
「あなたたちのことを書き残したいんだ」
「いいんじゃないか。おれはもうこの世から消えるし」
「タケル!」
私は怒って言った。
安心させようと言った軽口だとわかっていたけど。
「ごめん」
タケルはしゅんとして、また背中を向けた。
少し幼いと思っていたのは当たり前のことだった。
私はそんなタケルの背中をぼーっと見つめていた。