気になる彼は同居人!?
「あの…私、時雨 乃愛。よろしくね」
カッコイイから仲良くしたいとかじゃなくて、隣の席だし転校生なら不安も多いかなと思い声をかけた。
「…よろしく、のあちゃん」
ニコッと笑った彼に思わず心臓がドキッと音を出した。女の子ではなかったけど、話しやすそうで良かった。
そう思ったのは、つかの間。
休み時間になった途端、クラスの女子には囲まれ、男子には非難され、どこから情報を得たのかイケメン見たさに他クラスからも来た女子が廊下を独占していた。
「…またやってるよ〜」
「あの席…私の席なんですけど」
帰りのSHRまでそれは耐えなくて、ついにはちょっとトイレに立とうものなら私の席は勝手に座られてしまう。
これがしばらく続くなんて…考えただけでも居づらくて仕方ない。
別に転校生が悪いわけでも転校生を嫌いな訳でもないけど…。