記憶が無くなっても君が好き
「お前、変わってるんだな」

変わってるといえば変わってるかもしれない。

「俺、今丁度部活終わってさ、

時間見ようと携帯探したんだけど見当たらなくて」

一瞬。ほんの一瞬だけ、

なんでこの人急にこんなこと言ったんだろう。

って思ってしまった。

「そこ、俺の席なんだ。机の中に携帯入ってない?」

「え、あ、そうなんですか!?

勝手にごめんなさい…えっと、携帯ですよね…」

先輩の席だとは思いもしなかった。

なんか申し訳ない…。

机の中は意外と綺麗で、置き勉は一切していなかった。

だから、先輩の探してる携帯はすぐ見つかった。

「これですか?」

「そそ。これ。さんきゅーな」
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