記憶が無くなっても君が好き
もう少し、もう少しと言って勉強していたら既に7時を過ぎていた。

「そろそろ帰らなきゃ…」

机の上に広げていた教科書やノートを鞄の中に締まって教室を出る。

日も落ちてきて赤く染まる校内。

綺麗だな。なんて思いながら玄関に向かう。

外に出ると校庭の方でボールを蹴るような音が聞こえた。

「サッカー…?」

今はテスト期間だから部活動は無いはず。

それなのにボールの音がする。

…なんで?

誰がボールを蹴ってるんだろう…?

ちょっとした好奇心から見に行ってみることにした。

「あれは…誰だろう。1人で今の時間までずっと練習してたのかな…」

グラウンドに散らばった沢山のボール

遠目でもわかるくらいに土で汚れた練習着。

頑張って練習したのが見ただけでわかる。
< 20 / 26 >

この作品をシェア

pagetop