記憶が無くなっても君が好き
1人でずっとリフティングを続けている男の人。

疲れたら時々休んで、シュート練習やドリブルの練習。

ここからじゃ顔は分からないけど、練習する姿はとてもかっこいい。

「あっ…」

今、一瞬だけ目が合った様な気がした。

私の勘違いかもしれない。

「もう少しだけ近付いてみようかな」

ギリギリ顔がわかるかわからないかくらいの距離まで近付いてみた。

男の人は疲れてしまったらしくグラウンドに大の字に寝そべってしまった。

「あ、あの…!」

何を思ったのか私は無意識に声をかけていた。

寝そべっていた男の人は私の声が聞こえたのか、

起き上がってこっちを向いた。

「…………………………………………美麗?」

「蓮…先輩?」

聞き間違えるはずが無い。

その自信はどこから来るものなのかはわからない。

けど、その人は間違いなく蓮先輩だった。
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