記憶が無くなっても君が好き
蓮先輩らしき人物に近づく。

近づくに連れて彼の顔がはっきりと見えてくる。

やっぱり、蓮先輩だった。

「美麗何でここにいるの?今はテスト期間だしこの時間みんな帰ってるし……」

蓮先輩の少し動揺したような声。

その声に私も動揺してしまう。

「放課後友達と勉強してたんです。でも、友達途中で帰ってしまって……1人で勉強してたらこんな時間になってたんですよ」

苦笑いを浮かべながら私がこんな時間まで学校に残っていた理由を話す。

でも、遅くまで残ってたから蓮先輩に会うことが出来た。

初めて先輩と話をした時以来会ったりすることも、話をすることも無かった。

「そうなんだ。俺、今帰る準備したら帰るけど………」

何か言いたげな顔をしながら途中で話を止める。

私は勘が鋭いわけじゃないし

むしろ鈍感な方なので全然言いたいことがわからなかった。

「先輩?」
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