記憶が無くなっても君が好き
「………美麗って家どこ?」

「電車に乗って3駅のところですよ?」

私が家の場所……というか駅を教えると、先輩は少しだけ嬉しそうな顔をした。

何を考えてるのか未だにわからない。

長い付き合いになるとさすがに分かるんだけどな…。

「一緒に帰らない?ほら、もうすぐ日も暮れてくるし」

私の聞き間違えじゃなければ

蓮先輩は今日、私と一緒に帰ってくれる。

蓮先輩と一緒に帰れるということは、少しの間話すことが出来る…?

何それ凄く嬉しい!

「美麗が迷惑って言うなら無理は言わないけど…」

「全然そんな事ないですよ!むしろ蓮先輩と一緒に帰れて嬉しいくらいです!」

あ。

つい口を滑らせて余計なことを言ってしまった。

「よかった。じゃあ着替えてくるから校門のところで待ってて」
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