記憶が無くなっても君が好き
「あ!そうそう、聞いて!」

突然思い出したかのように話しかけてくる雛乃。

今チューニングしてるからちょっと待って。

「あのね!クラスにかっこいい男の子いるの!」

新入生あるあるかな。

そのうち好みじゃないとか

あんな奴まじキモいとか

そんな事言いだすに違いない。

「その人ね!外崎恋叶(とのさきれんと)って言うんだけどね!」

随分と可愛らしい名前。

ほわほわしてそうなイメージ…

「サッカー部に入るんだってよ!」

サッカー部かー。

サッカー部…

サッカー…

「え?!サッカーやってるの?!ポジションは?!」

「中学のときはフォワードって言ってたけど…」

フォワードかぁ!

うん。かっこいい!

「お姉ちゃんってサッカーの事になると別人になるよね…」

「だって!サッカーだよ!熱いよ!ガッツだよ!」

「一番暑苦しいのはお姉ちゃんだよ」

そう。

何を隠そう私は大のサッカー好きだ。

サッカーの話になると別人のようになるらしいです。

本人こと私は自覚なんて微塵もありません。
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