記憶が無くなっても君が好き
風の噂。恐るべし。

「雛乃その人気になるの?サッカー部の部長さん」

雛乃がこういうことを言うときは

大抵その人が気になるとき。

って私は勝手に思ってる。

「いや、別に?ただ、みんなが噂してるから」

なーんだ。つまんないの。

てっきり廊下ですれ違って一目惚れ!

とかそういうオチだと思った。

「お姉ちゃん、今がっかりしたでしょ!」

「いや、がっかりはしてない」

がっかりはしていない。

だってがっかりする理由がないから。

ちょっと予想外ってだけ。

「そう?ならいいけど。あ、母さんが早く帰ってこいよって言ってたよ」

「部活終わったらすぐ帰るよ。って伝えておいて。

どうせ雛乃見学終わったらすぐ帰るんでしょ?」

「えー!もう、仕方ないなー。」

仕方ないと言いながらもちゃんとやってくれる。

妹のいいところだ。

決してぱしりにしてるわけではない。
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