かわいい

現に、この高校の校門に着くまでにも何人もの男子高校生に振り返られた。

やっぱり私は特別。神様に選ばれた美少女なんだから！

「なーににやけてるの？藍」
うぎゃーーーー！！
「あ、紅音…」
びっくりした…

私に声を掛けたのは中学からの友達の宮嶋紅音 みやじま あかね。
この子は…単刀直入に言えば…
ナルシスト。
たしかに紅音はかわいい。まあ、私には到底及ばないけどね！
「紅音、今日もかわいいなぁ…」
私がうっとりするような顔でつぶやくと、
「ありがと。藍も超可愛いけどねっ」
紅音が明るく言った。
当たり前でしょ。でも、かわいいって言われて否定もしないでありがとうって…
「さすがとしかいえないよねー」
私は紅音には聞こえない声で呟いた。