「すき」が言えなくて。
「あぁ。はいはい、美桜ちゃんね。」
「お前、相変わらず冷めてんなー。」
倫が俺を見ながらため息をつく。
ため息をつきたいのはこっちだよ。
「んで、美桜ちゃんがなんなの」
倫は待ってましたといわんばかりに、俺の問いかけに対して目をパアッと輝かせ、足をばたつかせた。
「実は今日初めて会う約束したんだよ!でもお互い二人じゃあれだから、一人ずつ友達呼んで四人で会おうってなったんだ。」
「無理。」
倫が次に言いたい台詞は、聞かなくてもわかる。
「興~~たのむよ~」
倫は顔の前で両手を合わし、祈りポーズを見せた。
はぁ、まじかよ。