僕らの夏は、紛れもない青春だった。
「クーラーなら、そこにあるじゃない。」
「「「ちっがーう!!!」」」
天井には本物そっくりなクーラーが。
でも、それは決して本物ではない。
風も出ないし、動きもしない。
それは歴代の先輩の誰かが作った、
段ボールで出来たクーラー。
ご丁寧にリモコンまで作ってあって。
「ほら。」
ニッコリ笑顔でリモコンを渡してくる先生。
それを受けとる加賀谷(かがや)。
ちなみに加賀谷は
『暑いって言うと更に暑くなるだろぉぉ!』
と叫んでた暑苦しい奴。
「…ピッ。設定は24度でいい?」
「え…、うん」
「って!つかねぇだろぉぉ!!」
見事なノリ突っ込みを、暑苦しく叫ぶ。
「うるさい。」
パコンッと先生に丸めたノートで軽く叩かれた加賀谷はリモコンを放り投げた。