僕らの夏は、紛れもない青春だった。
僕らは大きな大きなキャンバスに絵を描く。
新聞紙くらいの大きさのキャンバス。
1年の時の絵を塗りつぶすように白を塗って、
その上から大胆に、
それでいて儚げな僕らの絵を。
気づいたら、時間が過ぎてて、
もう学校を出なきゃいけない時刻まで
僕らは描き続けてた。
そして出来上がった絵は、
額にいれて県が開催する油絵展に展示される。
順位付けもされて、
優勝した絵は一年間市役所に飾られるんだ。
だから、皆はりきっている。