黄金のラドゥール
神官長ミムリの許可で、ギムリの部屋を調べることができた。
しかしそこには皇太子リジュンと関連する物はなにも見当たらなかった。



そして、ミムリのおかげでもうひとつ収穫があった。
あの儀式で伝令役だった神官リトに会うことができた。


「いいえ、とんでもないことです!」
ひょろっと背の高い痩せた男だった。

「私がお告げ書の中身を見るなど、
そんな恐れ多いこと、とんでもありません!」

ミムリと違い、一目で男と分かる顔立ちをしている。なるほど、神官だからといって皆ミムリのように中性的な顔立ちの者が多いというわけではなさそうだ。

ユンハはわざとらしく眉を上げてみせた。
「それでも、お告げ書の中身は気になるのではないか?
少し覗き見るくらいならできるのでは?」

「とんでもないことです!
私などが神聖なお告げ書を覗き見るなど!
あってはなりません!」
めっそうもないと首を振る。


だが、ぴたりとそのまま止まる。

「あ、、そういえば、、」
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