黄金のラドゥール
「あの時はちょうど、天からラドゥール様が降りていらした時でした。
白い物が水鏡に映っていて、何かと思った時にはもう、水柱がざばぁぁっ、、と。

あの時の光景は今でも、、ええ、、」
リトは恍惚な表情を浮かべた。

「ああ、その時は私もいた。
それで?」

「その時でしたよ、いえ、ちょうどその前というのですかね、神官長ギムリ様がお告げ書を私に渡されたのは。

あれ?おかしいですよね、、
ラドゥール様が降りてらしたのにお告げ書があるなん、、ああ、ラドゥール様のお名前が書いてあったんですね!
それでギムリ様は慌てて私からお告げ書を取り返されたんですね。」
リトはぽん、と手を打った。

「ギムリがお告げ書を取り返したんだな?」
「ええ、そうです、ラドゥール様は降りていらっしゃいましたから。」
リトはにこにこと疑いさえしていないようだ。

「了解した。」

「天からのラドゥール様はお元気ですか?
正妃様になられます日を心からお待ち申し上げております。」
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