黄金のラドゥール

「ガインがお茶の支度に行っている。
じきに戻るから、ハルも着替えておいで。
一緒にお茶にしよう。」


ふっと微笑む。
「私だけなら

実に魅力的なのでその格好のままでも構わないのだが。」


「あっ、」


やっと気がついたのか。

焦ったり慌てたり、泣いたり喜んだり。
いつも忙しい娘だ。

くくっと声をあげ笑う。

いくらも一緒にいたわけではないのに、
いつも違った表情を見せる。


慌てて寝室へ引き返していく姿に顔がほころんでしまう。


こんなに愉しい娘は初めてだと思う。
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