黄金のラドゥール
「立ち寄った街でもラドゥールの話題が多く聞かれました。内容は神官リトの話と似たようなものでした。」

そこまで聞いてコウジュンは表情を緩めた。
「それは良い事だろう。

ラドゥールへの期待感なのだろう。
国民の期待が高まれば、正妃への道も近づく。」

「その話でしたら、」
ガインも加わる。

「社交界の方でも天からのラドゥールとの婚礼はどうなるのか、と気にされる方が大変多くいらっしゃいますよ。注目の的です。」

「そうか。」

「国民のラドゥールへの関心が我々が思うより高い、ということをユンハは感じてきたのではないかと思います。」

「はい。」
ユンハは強く頷いた。

「まぁ、悪くないだろう。」

「それと、コウジュン様はご存知ないかもしれませんが。」

コウジュンの眉がぴくりと動いた。

「どうぞお早く、ラドゥールをご自身の物になさってくださいませ。くれぐれも横取りなどされませんように。」
カイルはしれっと進言した。
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