黄金のラドゥール
コウジュンは息をついた。
「今日からハルの護衛にはユンハをつける。
私はしばらく一緒にいてやれそうにないが、その間ユンハに警護を命ずる。
ハルを頼んだ。」
「かしこまりました。」
コウジュンのぴりっとした視線で萎縮してしまったハルは盆を下げたまま立ち尽くしている。
先ほどのガインの話のせいで妙なもやもやがコウジュンを包んでいた。
ーーーーそれに、私は約束した。
『まずは正妃に、
その後は、ハルの望み通り好きなところへ帰っていい』と。
なのに、今更、
ほんとうに妃にだと、、?
国民の期待を得始めたラドゥール、
王妃に据えるに望ましい人気、
どこにも帰さず、このままーー
「コウジュン様?」
ガインの呼びかけに、コウジュンは引き戻された。