黄金のラドゥール

ラドゥールと侍女が目に入った。
確かに皇子の姿はない。

「突然失礼いたします、ラドゥール様。」
すかさずラドゥールとの間に、侍女が入った。明らかにそれ以上の接近を防いでいる。

皇子付きの従者が煩く退室をと迫っている。
「このまま待たせていただきたいのだが、」
すんなり帰る訳には行かない。

それにしても、、

やはり妙だ。

ラドゥールは全く床に着く様子などなかったようだ。なのにカーテンを全て閉め切ったこの部屋ーーー、

外からの何かを警戒している?
あるいは何かを隠しているのか?

噂ではラドゥールを守っているとも聞いたが、、



ミムリは窓辺に歩み寄る。
従者が慌てたように腕を引く。

ミムリはそのまま一気にカーテンを開いた。

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