黄金のラドゥール

「ハル!」
マントに隠されラドゥールの姿は見えない。


「いまのは、、彼女は消えかけて、、

そうでしょう?!」


コウジュンはハルを抱く腕に力を込め、小さな身体をぎゅっと抱きしめた。
「コウジュン、私ーー」


何か言いかけようとした声が途切れた。

ミムリが大きく身じろぎ、
ユンハは腕の縛りを強くする。
「ぅ、、ラドゥー、、!!」

それでもミムリは渾身の力でユンハの巨体から抜け出て、絡まる足でラドゥールの方へ駆け寄った。

「神官長、何を?!」
ガインが皇子とハルの前に飛び出した。
コウジュンは鋭い眼差しでミムリを振り返る。
ユンハはその柄に手をかけている。

< 142 / 238 >

この作品をシェア

pagetop