黄金のラドゥール
帰り道
やっとのことで興奮状態から落ち着きを取り戻した神官長を、扉の外で腰を抜かしていた神官リトも付けどうにかユンハが執務室から送り出した。

コウジュンはハルとふたり、寝室にいた。




「コウジュン。

私さっき思い出したの、ここに来る前のこと。」

「なんだって?」


「身体が消え始めたとき、

少しだけだけど、何故か頭に浮かんで、、

ここにくる前のことだってわかった。」


ハルは手のひらを見つめ思い出すように話し出す。


そこに大きな温かい手が重なった。

「本当よ、思い出したの。」

見上げてくる真剣な眼差しにコウジュンはただ静かに頷き返した。
「聞かせてほしい、ハルのこと。」

青い瞳は疑うのでもなく、まっすぐにハルを見つめていた。

ハルはきゅっと握り返すとこくんと頷いた。


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