黄金のラドゥール
「ハル様、、私の顔に何か?」

「いえ、何でもないの、、

ただ、何となく、、」

「?」

一方、久しぶりに会ったユンハは、どこか雰囲気が違っているようだった。


「何となく?」

アユールも首を傾げハルの言葉を待った。

「ふふ、なんでもないの、
なんでもないの!」

ユンハの眼差しがとても柔らかくなったと感じるのだけど、、気のせいなのだろうか?

それまでは、役職柄、何事にも目を光らせているからだと聞いていたけれど、、
特にコウジュンの近くにいるせいか、ユンハの自分に対する眼差しが厳しいと感じていたこともあった。

「そうだ!せっかくだから、3人でお茶にしましょ!」
「いえ、私はおそばでお守りするのが任務です。一緒に頂くわけにはまいりません。」

「でも、お茶くらい、いいんじゃない?」

今までならびしっと刺すような視線を返されそうなところも、困ったような表情を浮かべるだけで、それはなかった。
私に対して優しくなっていた。

「おそばでしょ? ね、アユールも!」

「まぁ、、ハル様、、」




困るふたりを前に私はカップを並べ始めた。

それにしても、眼差しがこんなに違うなんて、、、


変わった理由はわからないけれど、
嬉しくなってしまう。
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