黄金のラドゥール
「コウジュン、あなたの方がゆっくり休んだ方がよさそうよ。」


大きな掌が私の頭をがしがしと撫でた。
「私は大丈夫だから、おやすみ。」




「まって、、。」

薄暗い部屋の中、明かりに浮かぶ大きなコウジュンのシルエットが振り返る。

ソファへ戻ろうとする彼の服の裾を掴んでいた。




「ここで寝て。」


だって、こんな大きなベッドだもの、
「何人も眠れるくらい、十分大きいから。」
変な意味になんないよね。
自分の隣の大きなスペースを指した。






コウジュンはしばらくそのままでいたけれど、そっとベッドの縁に腰掛けた。


「ハルは帰りたい?」


「え?」
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