黄金のラドゥール
「でどうなのだ?」

皇太子リジュンは主だった大臣たちも集めていた。

「天からのラドゥールが矢に倒れたと聞くが、それは真実なのかと聞いている。」


「皇太子殿下、そのようなお話、
どちらでお聞きになったのでしょうか。」

コウジュンの青い瞳が光る。
「確かに、ラドゥールが矢に倒れたと噂が広まっております。

噂の真偽はともかく、
殿下のその仔細にわたるお話、まるでその場にいらしたかのようです。」

「ふ、この私が? は、まさか!

私にとってはなんでもない娘よ。
まことしやかな話が聞こえて来たので責任者のお前に尋ねているまでのこと。」

「そうですか。」

「で、どうなのだ。
その娘は矢に射られたのか?
まさか、天からのラドゥールなのだ、
なんともあるまい?」


コウジュンは何も語らない。


「話に聞こえる通りーーー、

死にそうなのか?」
大臣たちが見守る。

「おや、、否定しないのか?」

皇太子の目が獲物に飛びかかろうとする獣のそれのように細められる。

「天からのラドゥールが倒れたということはどういうことか、、

つまり、お前には相応しくなーー」
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