黄金のラドゥール

警護の数も増やされていた。
ユンハに伴われ城門まで行く道のそこここにも美しく咲き誇った花々が見える。
万全でないとはいえ、それでも華やかな香りに包まれると身体が軽くなったようだった。

城門には、すでにコウジュンの姿があった。
何人かと一緒だが、ひと際輝く白銀の衣装を身につけた彼はひと目で王族と判る出で立ちをしている。普段の濃紺の衣装の彼も素敵だが、今日の彼も素敵だった。

今日はコウジュンについて花祭りの視察に向かうことになっていた。花祭りには毎年王族からも参加があるようで、今年は第3皇子に参加の役がまわっていた。


青い瞳はハルを見つけると甘やかに煌いた。コウジュンと一緒にいた人たちの中には、朝の議会の時に見かけた大臣も何人かいて会釈を交わした。中にはウジョーと呼ばれた大臣がいて、その名前は何度かコウジュンとガインの間から聞いたことのある名前だった。
それぞれ立派な馬を連れている。

「こちらへおいで。」

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