黄金のラドゥール
「どうした!何事だ?!」

先をいっていたはずのコウジュンの黒馬が目の前まで戻って来ていた。
その後を大臣たちの馬が続く。


「ごめんなさい、
私が急に振り向いたりしたから、、」

「どぉー、、どぉ、どー。」

ユンハがなだめ、軽く反り上がった白馬はなんとか落ち着きを取り戻していた。
ハルの顔は青い。


「コウジュン様、」
ユンハがそっとハルの背中を起こし、自分の身体をひいた。

「失礼致しました。
私の手綱ミスでした。」


「いや、大事にならなくてよかった。」

ハル。これをあげよう。」

「お花?」

「優しい香りがきっと落ち着かせてくれる。」
小さな薄紫の花束を手渡す。

ハルは受け取るとそっと香りを吸い込んだ。青かったハルの顔に安堵の色が広がっていく。嬉しそうな表情を浮かべた。

コウジュンは微笑むと愛馬を白馬に並ばせた。
「やっと笑ったな。」


それを見ていた人々のどこからともなく声があがった。
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