黄金のラドゥール
「ラドゥールさまですか?!」
「ラドゥールさま??」
「え?!ラドゥールさまだって?!」
わぁっと歓声があがった。
ハルは目を瞬かせた。
先ほどまで皇子に視線を向けていた人々が、
今は自分たちを囲むように集まってきている。口々に「ラドゥール」を連呼しながら。
あっと言う間にたくさんの人に囲まれてしまっていた。
街に出たことのなかったハルには、「ラドゥール」ということにそれほど関心が向けられていることを初めて感じた瞬間だった。
「人気者だな、私のラドゥールは。」
呆気にとられているハルにコウジュンは微笑んで手を伸ばした。
ユンハが反応するよりも早く、白馬からハルをかっさらう。
「コウジュンさま、、っ!」
自分の前に横抱きに乗せてしまう。
「ラドゥールと共に、国民に応えよう。」
もうユンハにも止められなかった。