黄金のラドゥール
緑の蔦絡まる白亜の神殿、コウジュンはこれまで行事でしか訪れたことのなかった、この独特な雰囲気の神殿に今回は自ら脚を運んでいた。
窓から差し込む夕陽は傾きを大きくさせている。だいぶ丸みを帯び始めた月が薄黄金色に輝く。
夜が迫っている。
「遅い時刻に申し訳ありません。」
そう言ってミムリは再度頭を下げた。
数日後に迫ったコウジュン皇子の2度目の儀式の準備に呼ばれ、ミムリが神殿に戻りついたのはつい先ほどだった。儀式が迫る中、どうしても伝えておかなければと、ミムリはコウジュン皇子に会いたい旨を密かに連絡していた。
なぜ会いたいのかは書かれていなかったが、その手紙の中で「伝説について」とあったのを見てコウジュンは飛んできたのだった。それは必ずハルに関連するに違いないと思ったからだった。
「手短に話せ。」
「ラドゥールさまは?」
「心配は無用だ。信頼できるものに預けてある。」
「そうですか。」
ミムリがほっとしてみせた。彼もラドゥールへの襲撃を心配しているのだろう。
「ああ。だが手短に話せ。」
青い瞳が涼やかに光った。
「はい。」
ミムリはコウジュンとそばに控えるガインを見た。
窓から差し込む夕陽は傾きを大きくさせている。だいぶ丸みを帯び始めた月が薄黄金色に輝く。
夜が迫っている。
「遅い時刻に申し訳ありません。」
そう言ってミムリは再度頭を下げた。
数日後に迫ったコウジュン皇子の2度目の儀式の準備に呼ばれ、ミムリが神殿に戻りついたのはつい先ほどだった。儀式が迫る中、どうしても伝えておかなければと、ミムリはコウジュン皇子に会いたい旨を密かに連絡していた。
なぜ会いたいのかは書かれていなかったが、その手紙の中で「伝説について」とあったのを見てコウジュンは飛んできたのだった。それは必ずハルに関連するに違いないと思ったからだった。
「手短に話せ。」
「ラドゥールさまは?」
「心配は無用だ。信頼できるものに預けてある。」
「そうですか。」
ミムリがほっとしてみせた。彼もラドゥールへの襲撃を心配しているのだろう。
「ああ。だが手短に話せ。」
青い瞳が涼やかに光った。
「はい。」
ミムリはコウジュンとそばに控えるガインを見た。