黄金のラドゥール
「これをご覧下さい。」
ミムリはテーブルの引き出しからぶ厚い紙の束を取り出した。綴じられた紙が年代を感じさせる。
コウジュンはページをめくる。
数字と名前が記されている。
それは年号と代々の国王と一族の名だった。
「王家の系図に何かあるのか?」
コウジュンは答えを急いだ。
「いいえ、系図の中身ではなく、
初代国王の伝説を調べておりましたら、
気になる事柄がいくつかございました。」
「気になる事?」