黄金のラドゥール
「月光を浴びなければ、、
消えずにいられるのか?」
「確証はありませんが、恐らくは、、」
「また『恐らく』か。」
「すみません、、
ですが!赤い星と満月が並ぶ、その時期の月光さえ避けられれば!、、恐らく。」
コウジュンはマントの留め金を合わせた。
「どれほど不確かであろうと、回避したい話に変わりない。」
是が非でも避けたい。
ハルが居なくなる、
それが確実に現実味を帯びてコウジュンの心を震わせた。
「急ぎ対応する。」
「私も!天のラドゥールがこのままいられますように神官長として祈っております!」
去り際、若い神官長が掛けてきた声に、コウジュンはことハルに関しては自分のほうがよほど幼い行動を取っているのかもしれないと思った。