黄金のラドゥール
「あ、」
「これはラドゥール。」
「ケイジュン皇子。」
名を呼ばれ皇子はにっこりと微笑んだ。


最近ではミムリの他、ケイジュンも足繁くコウジュンの執務室を訪れるようになっていた。みな、目当ては天からのラドゥールだった。

「何の用だ。」
コウジュンは明らかに不機嫌そうだ。

「兄上?かわいい弟が兄上に会いに来たんですよ、歓迎してはくれないのですか?」

「昨日も会ったばかりだろう。」

ケイジュンに関しては、つい昨日、ミムリに会いに行くため、ハルの一時的な避難先としてユンハと共に身を寄せてもらっていたのだった。
そこから帰ってきたのが昨夜で、それからまだ1日と経っていない。
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