黄金のラドゥール
「そうではないがーー、、」
側にいたガインは目を大きくしてコウジュンを見つめている。
「ガインは驚いているようですが。」
「私も初耳だ。」
「ああ、いいんですよ。兄上が知っていたとしても。最初に知らせられなかったことは残念ではありますが。」
ケイジュンは何でもないという風に続ける。
「それでね、」
コウジュンとガインの心のうちには「赤い星と満月の並ぶ時期」にラドゥールとして出席することを免れた!という安堵が広がっていた。
「陛下は民心を掴んだラドゥールを正妃にというお考えらしいんです!」
コウジュンは隣に座るハルを見た。
『いよいよ』という思いが瞳にこもる。
「それがどうやら、本来なら行われるはずだったその儀式の日に国民の前で宣言されるみたいなんです!」
「なんだと?!」