黄金のラドゥール
「これは確かな方法ではない。
だが試してみる価値は十分あるはずだ。
いいかい、おまえのいたところに帰るには、
月の光とーー、、」
「待って、コウジュン。」
小さな手がコウジュンの唇を塞いだ。
驚きを映す青い瞳にハルは首を小さく左右に振って見せる。
「?」
「ケイジュン皇子が言ってたじゃない?
国王陛下はラドゥールを正妃として認めてくれるって。」
コウジュンは頷いてその小さな手をそっと包むように離した。
「やったね!これでコウジュンの望みは叶うんだよね?」
「ああ。三日後、国王陛下はラドゥールを正式に承認される。私の正妃として。」
「やったぁ!そしたら重罪も死罪もないし、遠くに飛ばされることもないんだよね?ね?」
心底ほっとしたようなハルの肩を抱く。
「ああ。」
「よかったね!よかったね、、!!
だったら私、まだ」
「今度は、
おまえが望むところへ帰る番だ。
ハル、おまえはよくやってくれた。」
ハルは耳を疑った。
「まだ、帰れないよ。」