黄金のラドゥール
ーーぐっとその胸元を掴んだ。
「コウジュンはそれでいいの?
私がいなくなってもいいの?」
コウジュンは合点した。
「ハルが望むようにするといい。
私は約束した、
ハルの、おまえの望むように帰してやると。」
切なくなるような綺麗な微笑みに
ハルは思い切り首を振った。
「ハル?」
「違う、決まってない!私は、、
コウジュンは私がこのままここにいたら、、
いたら、、いけない?
私の帰りたい場所が、、望む場所が、、
約束を守るため?
それなら!
守るって、最初から守るって言ってた約束は?
もうおしまい?私、まだ正妃になれてないよ?
正妃にして、護ってくれるんじゃないの?
それとももう、
私が帰ったほうがコウジュンはいいの?」
ハルは肩を震わせていた。