黄金のラドゥール
婚礼の儀式
空高くファンファーレが鳴り響く。



コウジュンは手にしていた純白の手袋を握りしめた。

どうにか儀式を昼間に行えることになった。この変更を国王に願い出ることにおいては大臣ウジョーの助力も大きかった。
ウジョーもラドゥールに好感を持っている者のひとりのようだな、と頭をかすめた。

青く高い空に歓喜の声が響き渡る。バルコニーからは王城の門前に押しかける人々の山が見える。

まさにこれから、国王が第3皇子と天からのラドゥールに結婚の承認を与える儀式が行われようとしている。国中がお祝いムード一色に染まっているように見える。


コウジュンはバルコニーから身を引くと、隣室の扉の前に控えたユンハを呼びよせた。
扉の向こうでは花嫁が身支度の最中だ。

「何か動きはあったか?」
「いえ、動きはありません。
お部屋に控えられたままです。」
「わかった。」
ユンハは厳しい表情で頷き「ですが再度確認させましょう。」そう言って踵を返した。

頼もしい背を見送ると、今度はガインが待っていた。
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