黄金のラドゥール
「皇子、ハル様のご用意が間もなく整われます。
どうぞこちらをお召しください。」
そう言って肩からマントを羽織らされる。
「コウジュン皇子、、とてもご立派です。」
正装した皇子の姿に目頭を熱くさせたガインは、胸が詰まったようでそれだけ言うと口を閉じた。
「まだここからだ。この先も長いぞ。」
ふっと笑って見せると、ガインも笑顔を見せた。
「ええ、どこまでも、ご一緒させていただきます。
もちろんユンハも同じ気持ちですよ、皇子。」
「ああ。もちろんだ。」
国王はこの儀式を機に、皇太子リジュンではなく後継者にコウジュン皇子を擁立するようだと見られている。これは異例の事態である。
そんな状況で当然面白くないのは皇太子リジュンだ。
だからこそ、彼はこの儀式をどんな手を使ってでも壊そうとするだろうー、、
コウジュンは髪をかきあげた。
とにかく、明るい陽のあるうちに儀式を無事済ませ、ハルを護らなければー、、
コウジュンの胸の内とは裏腹に、陽気な音楽が聞こえてきた。楽器が打ち鳴らされる。
歓声が聞こえる。
その時、隣室の扉が開かれた。
「ラドゥール様のお支度整いました。」
侍女のアユールが告げた。