黄金のラドゥール
ノックの音にハルは振り返った。
「とても綺麗だ。」
婚礼の衣装に身を包んだハルに、コウジュンが声をかけた。
ハルは夢ような衣装を纏い、椅子から一歩も動けずにいた。
「コウジュン。」
そこに青い瞳が優しく微笑むのを見て、やっとハルは微笑んだ。
「まぁ、、コウジュンもとても素敵!
とっても似合ってるわ。」
コウジュンはくすっと微笑んだ。
深く艶やかな紺色に縁取りは金糸、純白の襟の付いた、ゆったり厚みのあるマントを羽織っている。マントから伸びたすらっとした身体には純白のタキシードのような正装をしている。
「そういえば、前にもこういうことがあったわね。コウジュンはあの時も今みたいに扉に寄りかかっていたわ。」
「あの時、、?」
「そうよ、ほら、あの、、」
コウジュンはゆっくりとハルに近づく。