黄金のラドゥール
会場がざわつき、大臣らの席から立ち上がる姿が見える。今にも声をあげようとする大臣のウジョーだった。しかし皇太子が白い手のひらをそちらへ向けそれらを制した。
「今宵、国王陛下は第3皇子の婚姻を承認される。
その儀式の開始である。
誰一人、邪魔立ては許さぬ。
、、、と国王陛下がおっしゃっておられる。」
王座に就いている国王は遠い目をしたまま、
背後の飾りたてられた棺に振り返ることもない。
中断していた調べが再び奏でられ始める。皇太子が「神官長。」と呼びかけたのを合図に、ミムリとあの従者が白い棺の蓋に手をかけた。