黄金のラドゥール
「そこを退ーー!!」



パチンッ!


瞬間、大きく何かが弾けたような音が響いた。


「、、っ、、」
確かにコウジュンの耳に息を飲む声がした。

「私は、、何を?」
操られていた国王の侍従が頭をひねる。
「これはどういうことだ?なんだその箱は?」
背後の白い棺に、国王が表情を曇らせる。
「ラ、、ラドゥール様?!このお姿は、、一体、、」
ミムリは飾られた白い棺にぴたりと納められたラドゥールを正面に捉え、困惑の表情を浮かべている。


「皇子、みな正気に戻ったようですね。」
「ああ。ハルも今、目を覚ましたようだ。」
眠らされていたのだろう、間違いなく今息を飲んだ声は確かにハルのものだった。
薄茶の瞳がぼんやりとだが揺れ、広間に漂う。
唇がかすかに動いた。
「ああ、ラドゥール様!」
膝から崩れ落ちそうになったのをミムリに支えられる。
「ハル!」

「国王陛下、準備は整っております。」
皇太子が薄く微笑む。
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