黄金のラドゥール
「さぁ!おいでなさい!」

掴まれた痛みでハルは悲鳴を上げたが、その声はすぐに呑み込まれてしまった。

ハルはぶるっと身震いを覚えた。
眩しいほどの満月が正面に見えたからだった。

『消えてしまう!?』
ハルは驚き動けなくなってしまった。

だが、しっかりと掴まれた手首は引きずられ、
抗おうにも箱から引っ張り出される。
「いや、、」
白い手はさらに広間の中央へハルを引きずり出そうとする。

「だめ、、いや、、

やめてぇーー、、っ!!」
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