黄金のラドゥール
どよめきが見守る中、一歩、また一歩と
月光の中を歩き始めたハル。

その一歩ごとに、
その体から、
光の泡が生まれるように天へと昇っていく。


きらきらとほとばしる光が黄金色を増していく。
眩しすぎて、直視できないほどの輝きに
誰もが言葉を失ってしまう。




そして彼女の姿は向こうが透けて見えるほどに、薄くなっていく。指先が、ドレスの裾が、その輪郭を失っていく。


「ハル、、!」

ハルは両腕を大きく広げたコウジュンのもとへ駆け寄った。
彼の胸の前できらきらと光の泡がはじける。
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