黄金のラドゥール
ぷっと吹き出す声がした。

ガインが口元に手をやった。


「ガイン、お前はこれを笑えるのか?」

「ええ、ユンハ。
大したお方だと思いますよ。
その純粋さが嘘だとしたら、、
もっと大したお方ですがね。

まぁ、、それにその肌。
その産まれたての赤ん坊のような瑞々しい肌の方は、社交界でも見たことがありません。

確かにこの国の方では無いのかもしれませんが。」

ユンハは眉を寄せた。
ハルは慌てて肩から掛けた布を更に引き上げた。

「ユンハ、お前のその顔。」
肩を揺すって笑うガイン。

「っ、私に構うな。肌だけでは証拠にならんっ。」

コウジュンもふっと笑った。

「コウジュンさままで。」
ユンハは顔を背けてしまう。
急に場の雰囲気は砕けたようだった。

思っていたことを話しただけだけど、、
なんだか、よかったのかな?

「ハル。

おまえは天から来たから、こことは違うことも多いのだろう。

だがここでは、女性はあまり肌は見せないものだよ。」
険しかった表情を一転させ穏やかになったコウジュンが言い添えた。

それは微笑みとは言い難いが、それまでじっと逃さず見つめるような眼差ししか向けられていなかったハルには驚きだった。
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