黄金のラドゥール
「アユールをご覧。ここでは身なりはアユールのようにしてくれると、周りの者の注意を必要以上にひかなくて済むだろう。」

「わかったわ、そうする。」

「物分かりがよいな。」
青い瞳がふっと緩んだ。

その微笑みにどきっとする。

『ぁ、笑ったりするんだ、、』
その微笑みだけで気持ちがふわっとなった。

「あの、コウジュン皇子さま、、?
それで、どうして守ってくれるの?」

「私のラドゥールだ、『コウジュン』でよい。言ったはずだ、おまえがあの時、天から現れたからだと。」

「それだけ??それで、、」

「私には充分な理由だ。」

また青い瞳は鋭い眼差しに戻っていた。
ふわっとなっていた気持ちも一瞬でもとに戻されてしまった。

「王族を謀った罪は死」と言ったのと同じ、青く鋭い瞳。コウジュンはいつもその瞳でじっと見つめている。ひとつも逃さないかのように、何かを見抜こうとするように。


「ハル様、お召しかえをお手伝い致します。」


「では私たちは外そう。」

去り際、ハルに微笑んで見せたのはユンハとは対照的な感じの、ガインと呼ばれた人だった。

「ハル様、私、コウジュン皇子様の身の回りのお手伝いをさせて頂いております、ガインと申します。どうぞお見知り置き下さいませ。」
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